おぉ、嫌だ。野蛮だ。

あたしも嫌な性格なんだろうね。
ある人のダメな所が一箇所でも気になると、もうその人の悪いところしか目に入らなくなってくる。
最近じゃ、件の若造とは一緒に飯を食いたくない。とにかく、最初に見た時はあまりに吃驚しちまって、あたしの動きが止まったもの。つまりね、食事のマナーが最低の野郎なんだ。見ていると吐き気がする。
人間じゃねぇよ、動物だよ、あの食い様は。まぁ、宗教上の慣習だったら仕方ないんだけどね。

  • 箸を持たぬ手を利用したのを見たことが無い。

おかしい。卓の上に乗せた椀や皿に向かって、顔を近づけて飯を食うんだ、こいつは。卓上の、てめぇの身体から遠い位置にある皿のものも、顔を近づけて食うモンだから、見ていて食い難そうで仕方ない。思わず「食べ難くないかぇ?」と聞いてしまったよ。そんなに必死になるモノでも無いでしょ、食事って。普段食事が出来ない訳でもなさそうだし。

  • 箸の使いかたを知らない

ここまで来ると、箸の持ち方まで云うつもりも失せちまうんだが、こいつのは酷い。箸で物を挟んでいるところを見たことがない。椀や皿の「ふち」に口をつけて、掻き込むんだね。

  • 当然、口から発せられる音といったら

もう思い出すだけで嫌だ。何でもすするし、咀嚼時も口を閉じねぇし。

  • 皿の空き方が奇妙

矢鱈奇妙な食い方をする。一品ずつ平げていくんだね。先輩は「ばっかり食べ」なんて云いかたをしていたが、そういう言葉があるのかどうかは良く知らない。

  • 肘っ!

それはそれで良いんだが、味噌汁を最後の最後に食う。どうやら味噌汁椀だけは手に持つようだ。ただし、両肘を卓について。「茶碗、手に持ったら?」と云うと、素直に従い茶碗を持つが、やはり肘をつける。どうやら、茶碗の重さに耐えられない程、腕力が弱いようだ(と嫌味を云ってやりたい)。

...とまぁ、いろいろ書きなぐったが、文字で表現するのは難しいね。実際に見せてやりたいよ。本当に汚ねぇ食い様なんだね。あぁ、嫌だ。