部署での旅行

前日から、河口湖畔の旅館で、こじんまりとした温泉旅行だった。こじんまり、とは、人数の話であり、旅館の話ではない。
飲み放題とか、酒の持ち込みとか聞いていたが、今回は「徹底的に湯を愉しむ」と決めていたので、馬鹿騒ぎする仲間を横目に、たった独り、湯に漬かる、という具合で、マイペースを心掛けていた訳だ。
私以外の人間からは、普段良く飲むはずの大好きな日本酒を控え、ほとんど仲間と口をきかず、一人コソコソと行動をしていたように見えただろう。なんて変テコな奴だ、と。「湯」だよ、「湯」。...まぁ、実際に、一人で勝手に行動していた時間のほうが長い訳だが。